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ノイファイミリーの日常、息子の成長など・・・
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メリアンが戻ってきたので、
2人で着替えや下着類、シャンプー等をビニールの袋に入れて鞄に詰め込んだ。
大きな洗濯物を入れるバケツや桶を持って、いよいよ初めてのハンマムに潜入する。
階段を降りるとママの妹のミーナがメリアンに何か話をしていた。
後から彼女が娘のサーラを連れて来るので、
私達と一緒にハンマムに入れてあげる事になった。

ハンマムにはたくさんの女達が集まり、おしゃべりに花をさかせ、
子供達が走り回り、それはそれは賑やかな光景が見られるという。
メリアンと連れ立ってカスカドホテルのすぐ隣のハンマムへと向かった。
入口を入ると冷たい大理石張りの床と壁の広間になっていた。
傍の方にいわゆる番台らしきカウンターがあり、
そこでメリアンがお金を支払っていた。
暖房のきいていない寒い広間で服を脱ぎ(パンツだけははいたままで)、
震えながら急いで奥にある大きな扉の中に駆け込む。
扉の中はサウナのようになっていてとても暖かい。
長椅子にたくさんの女達や子供達が座って暖をとっていた。
その奥に湯気に煙った洗い場がある。
水汲み場とお湯汲み場があり、そこに行って桶で水とお湯を汲む。
持参した大きな洗濯物を入れるバケツに何度も水とお湯を注いで、
いっぱいにしてからそれを使って体や髪を洗う。
番台で貰ってきたヌルっとしたジェル状の石鹸でまず体を軽く洗い流す。
メリアンと2人で背中のながしっこをして、
今度は私が日本から持って来たシャンプーで髪を洗った。
メリアンは日本製のシャンプーとリンスを喜んで使っていた。
このシャンプーは使った後髪がサラサラになるんだよと言うと、嬉しそうに笑った。
彼女は黒いちょっとくせのある髪をしているが、
本当はさらさらの日本人のような髪に憧れているのだそうだ。
若い女の子が思い、願う事は何処に行ってもだいたい同じなんだね…
それから私は自分が持っていた身体洗い用のタオルで石鹸を付けて
身体を洗い出した。
メリアンの方はさっきルーフの上で一生懸命縫い合わせていた小さな布で
身体を擦り始めた。
見るとぼろぼろと垢がでていた。
あれは垢すりに使うための物だったのかと初めて知り、びっくりした。
ちょっと目の荒い布だけど、それほど肌にちくちくするような物ではないのに、
その効果は抜群だ。軽く擦るだけで驚くほど垢がでてくる。
若い女の子であるメリアンの名誉を汚さないように
くれぐれも言っておかなくてはならないが、
それは決して彼女の身体が特別に汚れているのではなく、
本当にその小さな布切れの威力が絶大なのだ。

彼女が身体を洗い終わってからその布を使ってみるかと聞かれたが、
私はもう石鹸を付けて自分の身体を洗い終り、
少しハンマムの高い温度に上せ気味だったので、
もうそろそろ外にでるからと言って一度は断った。
ところが一度大理石の広間にでたら、
そこでママが昼休みで帰ってきていたハスナとハサニヤ、
そしてサーラを連れて来ていて私達の事を待ち受けていた。
しっかり身体を洗ったかと尋ねられ私が肯くと、
どれどれ…と私の腕をぐいと掴んでメリアンが持っていたさっきの布で
軽くひと擦りした。
すると、黒く大きなひとかたまりの垢が、
それこそボローリと音をたてるように私の身体から捲れて床へ落ちた。
私はびっくりして、ママと顔を見合わせて思わず笑ってしまった。
メリアンも横であらあらという顔をして笑っている。
裸のまま引っ張られて広間の隅っこに連れて行かれ、
そこで腰をすえてママに身を任せる覚悟を決めた。
右腕、左腕、背中…
サハラに行く前からざっとシャワーを浴びていただけだから、
普通に考えてもかなり汚れは溜まっていたはずだ。
…それにしても、こんなに沢山私の身体には余分な垢がこびりついていたの???
その量たるや、後から思い出してもすごかった。
あの垢の分だけ体重から差し引くと何kgになったのだろう。
あのハンマムに体重計がなかった事が悔やまれてならない。

体中をぴかぴかに磨いてもらって、私はすっかり身も心も軽くなった。
私の身体を洗ってくれた後に、ママはメリアンの身体もきれいに洗ってあげていた。
私は本当に自分がママの娘であり、メリアンの姉妹であるような気がしていた。

年頃の若い娘2人?がぴかぴかになったところで、
ママはサーラを私達に預け、家に戻って行った。
なにしろ寒い大理石張りの広間で垢擦りをされて
1皮どころか3皮くらい剥かれた後だったので体中冷えきってしまっていた。
再びハンマムの中に入り、お湯をかぶって身体を温める。
そしてメリアンと2人でさっきママが私達にしてくれたように
サーラの事をぴかぴかに磨いてあげた。
くりくりの柔らかい茶色の髪の毛も洗ってあげて、
サーラもとても気持ちよさそうだった。
メリアンの言っていた通りの、
賑やかな女達のおしゃべりと子供達のはしゃぐ声が響き渡るハンマムは、
想像以上に私を奇麗に、そして身軽にしてくれた。




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プロフィール
HN:
masu
年齢:
54
性別:
女性
誕生日:
1969/09/27
職業:
一級建築士
趣味:
しばらくおあづけ状態ですが、スケッチブック片手にふらふらする一人旅
自己紹介:
世田谷で、夫婦二人の一級建築士事務所をやっています。新築マンションからデザインリフォーム等をはじめ、様々な用途の建築物の設計に携わっています。基本呑気な夫婦で更新ペースもぬるーく、更新内容も仕事に限らずゆるーく、でもていねいに、綴っています。
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