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ノイファイミリーの日常、息子の成長など・・・
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今朝の朝食も、同じカフェでとった。
荷物をまとめて宿の仲間に別れを告げ、帰りのバスに乗り込む。

途中のバスターミナルでバスが止まった。
私達は一度表に出て、
大きな肉の塊が無造作にぶら下がっているサンドイッチ屋のカウンターで
サンドイッチを注文した。
サンドイッチにはいつもの通り丸いパンを半分に切ったものの間に
さっきまでぶら下がっていた肉が焼かれて入っていた。
その上にフライドポテトが乗っかっている。
朝食をとってから何も食べていなかったからとってもお腹が減っていたけど、
私は半分だけ食べて後はモハメドとアリにあげてしまった。
モハメドが、もっとたくさん食べる様私に勧めたが、
私は首を横に振って言った。
「いいの。だって今夜はあなたのママが私のために
特製ハリラを作って待っていてくれるんだもの。
私はそれをお腹いっぱい食べるのが楽しみなの。
だからうーんとお腹を空かせて帰るんだよ!」
軽い腹ごしらえも済んで、再びバスに乗り込んだ。
夕方の田園風景が車窓を流れる。
逆光を浴びて、古びたモスクが建っている。
ゆったりと河が流れ、点々と人や羊達の姿が見える。
もうすぐ、私達はFezに帰る。
そこでモハメドの家族達が私の帰りを待っていてくれるだろう。
なんだかほんの数日の間で、すっかりFezの街が私の故郷のようになってしまった。
自分の家に帰るように、私はモハメド家に向かっていた。

「君は日本にお土産を買っていかなくていいのかい?」
とモハメドが聞いてきた。
確かに。
私は今まで何一つ家族や友達に土産を買っていなかった。
海外に来たからといっていつもたいした買物はしないが、
せめて本当に親しい人達と仕事場の仲間達くらいには
何か買って帰らなくてはならない。
モハメドにお願いして、Fezに着いたら少しだけまたメディナの中を歩いて、
さっと土産物を探す事にした。
明日は朝からメリアンが私をハンマムに連れていってくれる約束をしていた。
最初はFezから50km程行ったところに温泉があるので、
そこまで2人で行っておいでと言われていたが、さすがに私も疲れてきていたので、
メディナの中にある近所のハンマムに入ってのんびりと疲れを癒し、
午後はモハメドの家で家族達とおしゃべりをしながら休息の時を過ごすことにした。
明日の夜中には、夜行列車に乗ってカサブランカに向かわなくてはならない。
残された僅かな時間。
私は私の友人や家族達みんなと一緒にのんびりと過ごしたかった。

ようやく外の風景に建物の姿が増えてきた。
見慣れた風景が近づいてきた。
新市街のバスターミナルで、私達はバスを降りた。
アリがpetit TAXIをつかまえてくれて、3人で乗り込んだ。
ブージュールド門の前でアリだけが私とモハメドのリュックを担いで
先に降りていった。
私とモハメド2人はそのままタクシーでメディナの奥の方まで乗って行き、
土産物を探す事になった。
アリは私達の荷物をモハメドの家に置いて、
無事に3人そろって帰って来た事を彼の家族に報告してから
私達を追っかけてくるそうだ。

追っかけてくると言っても私達が何処の店で土産物を探しているかなんて、
どうやって解るんだろうと不思議でならなかった。
だけど、モハメドの様子を見ているうちにだんだんとその謎がとけてきた。
モロッコの電話事情はあまりよくない。
なかなかつながらない事も多いし、
相手の声も雑音が入って聞き取りにくかったりする。
でもこのメディナのなかでは、電話なんて必要ない。
だってみんな顔見知りで、そのうちの誰かに“ここで待っている”と言づてれば、
ちゃんとそれが伝わっている。
犬の小便みたいにポイントポイントにマーキングしていけば、
相手はそれを頼りに私達を見つけ出してくれる。
とても便利そうでいてなかなかつながらない携帯電話やPHSなんかより、
よっぽど確実だ。
今までも急に予定を変更して、
それをアリやモハメドの家族に伝えなくてはならない状況が何度かあった。
私が心配そうにモハメドに“電話しなくちゃ、みんな心配するよ”というと、
彼はその度に大丈夫だ、彼らにはもうちゃんと伝わっていると言っていた。
そして確かにそのとおりだった。
不思議なことに、いつも彼らはちゃんと私の予定外の行動を把握してくれていた。
どんな最新式のネットワークシステムよりも、
このメディナの中のネットワークの方が、確実で安心感があった。

スパイスと香水を売っている店に行った。
タムタム屋さんのお兄さんが何故か店番をしていた。
お土産用の香水何本かと、スパイスを少し買うことにした。
日本ではとっても高いサフランと、
4種類のスパイスがミックスされたものを
ポケットティッシュくらいのビニール製の袋に入れてもらった。
家に帰ってからこのスパイス達で、
モハメドやアリに教えてもらったモロッコ料理に挑戦してみる事にする。
さて、いよいよ値段の交渉に入る。
タムタム屋さんのお兄さんもすっかり顔見知りとはいえ、
ビジネスになると話しは別だという感じで随分結構な値段を吹っかけてくる。
そこで、大根役者モハメド登場。
大袈裟な身振り手振りで一芝居打ってくれた。
「見てみろよ、彼女のこのみすぼらしい身なりを!
日本人とはいえ、彼女は学生だ。しかもとっても貧しい。
そんな彼女に君はそんな心無い値段を請求するのか?僕の大切な友達に…?」
そして私も調子にのって、眉毛をハの字にして追い討ちをかける。
「そう。私はとーっても貧乏なんです。
だからそんなに高価なものなら、買ってかえれない。
ああ、ママへのプレゼントにと思ってせっかく選んだけど…
ごめんねママ!私は貧しくて、
ママの為にプレゼントの一つも買ってあげる事ができないの!」
タムタム屋のお兄さんはすっかり呆れた顔をして、私達に尋ねた。
「わかった、わかった。それで君は、一体幾らなら支払えるんだい?」
思わずニンマリしながら、私はモハメドと顔を見合わせた。
「君は何も言うな。それで幾らなら払える?」
と小声で聞かれ、自分が支払えそうな金額を答えた。
それから後はモハメドにすっかりまかせて様子をうかがっていると、
どうも軍配は私たちに上がったらしかった。
タムタム屋のお兄さんは
「全く、君たちは2人揃ってグルになってそんなサル芝居をして
この店をつぶす気かい?」
と嘆いていた。
モハメドは自分のお手柄で私にいい買物をさせる事ができた事を
とっても喜んでいた。
今はシーズンオフで旅行者も少ないので、
メディナの観光客相手の店はどこも閑古鳥が鳴いているらしい。
だから多少値切られても全く売上げがないよりはマシなので、
私達の要求を飲んでくれたそうだ。



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年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1969/09/27
職業:
一級建築士
趣味:
しばらくおあづけ状態ですが、スケッチブック片手にふらふらする一人旅
自己紹介:
世田谷で、夫婦二人の一級建築士事務所をやっています。新築マンションからデザインリフォーム等をはじめ、様々な用途の建築物の設計に携わっています。基本呑気な夫婦で更新ペースもぬるーく、更新内容も仕事に限らずゆるーく、でもていねいに、綴っています。
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