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ノイファイミリーの日常、息子の成長など・・・
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朝えらい早くに目が覚めた。
まだ外は暗い。
時計を見ると朝6:00前だった。
夕べホテルに戻ってからバーに行って軽く飲み、
部屋に戻ったらあっという間に眠ってしまった。
シャワーを浴びようと思ったが、またまた蛇口からはお湯がでてこない。
多分朝早すぎて今はお湯が出ないのだろうと諦め、
今度はコーヒーが飲みたくなってルームサービスにコールした。
ホテルの案内には朝6:00から頼めるとかいてあったのに、
返事はまだ朝早すぎるので7:00まで待てとのことだった。
仕方なく時間が過ぎるのを待ちながら、また絵日記を綴る。 
トントンとドアをノックする音が聞こえ、
扉を開けるとコーヒーをトレイにのせてボーイさんが立っていた。
まだ7:00前だけど、私の我侭をきいて運んできてくれたらしい。
起き抜けの頭と身体にコーヒーがしみわたる。
はぁ、シアワセ…
日が登り、そろそろお湯も出る頃だろうかと、 試しに再びシャワーの蛇口をひねる。
…でたでた、お湯が。
この旅で最後のバリにたどり着くまで、もうしばらくバスタブには浸かれないだろう。
なみなみにお湯をはり、身体を伸ばしてゆったりとバスタイムを満喫する。
さあ、このホテルを出たら、本格的に貧乏モード。
たった1日2日で旅の予算の1/3以上も散財してしまったアホな私。
でもこれで心置きなく貧乏をエンジョイできるだろう。
何もなければないなりの生活を送ればいい。
あったらあるだけ使えばいい。
その時その時臨機応変に自分の身体を順応させればすむことだ。
昨日モハメドに出会った事が私に勇気を与えてくれた。
よし。覚悟はできた。
すっきりさっぱり日常を洗い流し、荷物をまとめ、
私はモロッコに持ち込んだ日本の生活を後にした。
Hotel de la PAIX での支払いは占めて600DH。
自分で自分の無鉄砲さに、思わずニンマリしてしまった。



Petit TAXIをつかまえて、荷物をルーフにのせ、ブージュールド門へと向かう。
昨日、屋根に登ったカスカドホテルでモハメドが待っていた。
早速部屋に案内してもらう。
ブージュールド門を横目に、メディナの喧騒を覗ける09号室が私のねぐらになった。
60DHで、ホットシャワー・トイレは共同。
でも同じ60DHとはいえ、1日目のホテルよりずーっと私は気に入った。
窓の外では賑やかに人々が行き来し、その向こうにミナレットも見える。
どこの街でも、私は通りに面した、外の喧騒を感じられる部屋が好きだ。
どこにも出かけずに、
1日中ホテルの部屋の窓から道ゆく人々を眺めているのも結構楽しい。

チェックインを済ませ、メディナの中を観る前に、ちょろっと王宮を覗いた。
王宮といっても一般には開放されていないので、
庶民はその黄金の豪華な門構えを眺めるだけ。
1.2枚写真を撮って、すぐに王宮を後にした。

メディナに入り、ブー・イナニヤ・メデルサとその後ろに垣間見えるミナレットを
スケッチし始めた。
ここは、モクスとしても使われているらしい。
中庭の真ん中の水盤で祈りの前に身体を清めている人達もいた。
床は白い大理石で、腰壁部分はゼッリージュと呼ばれる色とりどりのモザイクタイル、
その上部は色褪せたプラスターに一面に装飾が施されている。
屋根には緑色の施釉瓦がのっている。
かなり風化しているとはいえ、その装飾の緻密さと美しさには目を見張るものがある。
私は冷たい大理石の床に腰掛け、スケッチを始めた。
モハメドは、また私の邪魔にならない様、そっと表に出ていった。

どこからともなく小猫がやってきた。
私のまわりに擦り寄ってきて離れない。
最初は様子を窺うように用心深くまとわりついていたが、
そのうちちゃっかり私の膝の上によじ登り、
そのまま居心地よさそうに目を瞑ったたまま動かなくなった。
私は左手で小猫の首を撫でながら、右手で鉛筆を走らせた。
おとなしくてかわいいミシミシは、
冷たい石の上でずっとスケッチしていた私の湯たんぽになった。
モハメドが戻ってきて、その光景をみると、彼はおやおやという顔をして笑った。
「こいつは君の事が、すっかり気に入ったみたいだね。」
私は言った。
「あったかくって、丁度いいよ!」


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プロフィール
HN:
masu
年齢:
54
性別:
女性
誕生日:
1969/09/27
職業:
一級建築士
趣味:
しばらくおあづけ状態ですが、スケッチブック片手にふらふらする一人旅
自己紹介:
世田谷で、夫婦二人の一級建築士事務所をやっています。新築マンションからデザインリフォーム等をはじめ、様々な用途の建築物の設計に携わっています。基本呑気な夫婦で更新ペースもぬるーく、更新内容も仕事に限らずゆるーく、でもていねいに、綴っています。
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