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ノイファイミリーの日常、息子の成長など・・・
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たった一晩で、安宿に根をあげて逃げ出した軟弱モノのワタクシ。

でも、この3日目からがらり!と展開が変わって、

いよいよディープなモロッコの世界へと足を踏み入れて行きます。


+ + + + + + + + + + + + + + + + + + +


8時起床。約11時間も眠ってしまった。
今日はいよいよFezの街を1人で歩く。
果たしてガイド攻撃やボったくり達に太刀打ちできるだろうか?
例の如く、まぁ何とかなるかなぁ〜と呑気な面持ちで部屋を出る。
ホテルの外に出てみると、
ここはParisなんかと違ってカフェはあんまりこの時間では開いていない。
夕べはフランスパンを少しかじっただけでお腹が減っていたので、
ホテルの地下にあるレストランへ行き、31DHもする朝食を摂る事にした。



Petit TAXIに乗ってメディナに向かう。
メディナの正面玄関、ブージュールド門まで約10DHで到着。
一歩門の中に足を踏み入れると…
“あぁーこれが本格的ガイド攻撃かぁ?!” 
まだ小学生や中学生くらいの子供から大人まで、
牛にまとわりつく蝿のようにたかってきて離れない。
最初に声をかけてきた少年は、私が昨日すでにガイドと一緒にメディナの中を歩いたので今日は1人でこの迷宮を制覇してみたいのだと説明すると、すぐに“OK!Good Luck!!”と言ってくれたのに、その他の悪ガキガイド達は、外国人から教わった汚い言葉を吐きながら、しつこくまとわりついてくる。
いい加減こっちも頭にきて、
“Everybody Go Away!!”と怒鳴っても全く聞きゃあしない。

仕方なく、最初に声をかけてきた一番聞き分けの良い親切そうな少年に
夕方5時まで50DHでガイドを頼む事にした。
全く本当にここは1人にしてはもらえない土地だ。  
全く予想していなくはなかったものの、想像以上に他人の時間や空間にズカズカと割り込んで来るこの土地の人々に、少々腹立たしさや苛立ちをも感じ始めていた。
「私はそんなにたくさんお金を持っていない。土産物にも興味はない。買い物もしない。
ただ、好きなときに立ち止まって考え事をしたり、物を書いたりしたいだけなの!」
ガイドを申し出た少年に半分八つ当たり気味に強い口調で言いたい事をまくしたてると、
それでも彼はにっこりと笑って肯き、私の言葉に理解を示してくれた。

少年の名前はモハメド。
将来は先生か医者になりたいという大学生。
もうすぐ20歳になるらしいが、この国の人にしてはもっとずっと若く見える。
うっすらと口髭を生やしてはいるが、
最初私は中学生か高校生くらいかと思ってしまった。
私も例にもれず随分年若く見られたが、
こっちはそれをいいことについつい3つも年をさばよんでしまった。
こんな遠くに来てまで見栄はることもないのに… 

モハメドはまず、今は音楽学校になっている古い建物の中庭へと私を案内してくれた。
石の壁で囲まれた細い路地にある、古い木の扉の奥に一歩足を踏み入れると… 
そこにはモザイクタイルに囲まれた、美しいパティオが隠れていた。
あぁ、これが私がず—っと覗いてみたかった、隠れたパティオだ!!
庭の真ん中には水盤が置かれ、青々とした樹が庭に彩りと安らぎを添える。
馬蹄型アーチの奥に半屋外の廊下がぐるりと四方を囲み、その奥に室内がおくゆかしく顔を覗かせていた。なんて気持ちがよくて、清々しい中庭なんだろう!!
ざっと7、8m四方程の中庭は全体的に日当たりが良いとはいえないが、
白い壁や青、黄、緑の爽やかな色合いのモザイクタイルの計らいで随分明るく、
そしてとても暖かく感じられた。
いつまでも、其処にたたずんでいたくなるような、本当に素敵な中庭だった。

白いベンチが置かれていたので2人で其処に腰掛け、私は早速スケッチブックを広げた。
モハメドは時々ちらちらとそれを覗き込み、「いいね!」と誉めてくれた。
しばらくして私が、絵を描いている間はそこら辺を歩き回って自由にしていていいよと言うと、彼は10分くらいで戻るからと告げてから、表に出ていった。
私がざっとスケッチを終える頃、モハメドが戻ってきた。
「この庭が気に入った?」と聞かれ、私は大きく肯いた。
「うん。とっても!!」



音楽学校を後にして、私達は一度メディナの外に出た。
今度はきれいな公園を見せてくれると言うので城壁沿いに少し歩くと、
ブージュールド公園の入口があった。
公園の奥の方に、緑と色とりどりのモザイクタイルに囲まれたカフェがある。
「コーヒー飲みたい?」と聞かれ、私はyesと答えた。
歩こうといいつつ、結局は立ち止まってばかりいる。
でも、こんなゆったりとした時間を過ごせる事が、とても嬉しかった。
時計の存在を忘れてしまうような、そんな時間の使い方があってもいい。
何をするでもなく、ただ、そこに存在しているだけ。
何もしていないのではなく、ただ“そこに居る”という行為を行っている。
異国の地で。

コーヒーとミントティーが運ばれてきた。
さっき公園に入る前にモハメドが声をかけていた少年が顔を覗かせた。
彼はミシミシという愛称で呼ばれている、8歳か9歳くらいの男の子。
ミシミシとはアラビア語で猫っていう意味らしい。
モハメドは彼を弟の様に可愛がっている。
一緒にテーブルについて、ミントティーを半分ずつにして飲んでいた。
彼ら2人をモデルに似顔絵を描くと、それを覗き込んでは2人でケラケラと笑っていた。
私は人間を描くのが下手なんだと言うと、
「そんな事ない。いい絵だよ!」と慰めてくれた。
3人で笑いながらそんな事を話していると、
カフェのオーナーまでもが私の下手くそな絵を覗き込んできた。
上手い上手いと持ち上げられ、後で僕の顔も書いてくれと言われて困ってしまった。
それからオーナーはミシミシの頭をくしゃくしゃと撫でながら、
「この子はとってもおとなしくて、賢いいい子なんだよ」と私に言った。



楽しいコーヒータイムを過ごし、私達は再び歩き出した。
公園の外に出たところでミシミシとは別れた。
ブージユールド門を潜り、メディナの中に入る。
メディナの絵が描きたいのなら屋根の上に登るといい、とモハメドに連れられて、
門のすぐ側にあるカスカドホテルの屋根に登った。

そこから眺めたFezのメディナの眺め…

山々の裾野に広がる日干し煉瓦の家々、ところどころに聳えるミナレット。
屋上に干された色とりどりの洗濯物。
そして何故か目に付くパラボラアンテナ達。
太陽の下で、何千年も前から変わらぬ姿でそこにたたずむ街に抱かれながら、
スケッチブックを広げ、私は無心になっていた。
カリコリと下手な絵を楽しんで描いていると、突然耳にヘッドホンを当てられた。
モハメドがお気に入りのモロッコ音楽のテープをウォークマンで聴かせてくれた。
「いい音楽を聴いて、いい絵が描けるよ!」
彼は笑って言った。
あーーー!!! 何て、何てHappyな気分。
これは絵でも言葉でも、何にも表現し尽くす事のできない至福の悦び。
音楽にのって、私の眼前の風景は神と化し、私を包み込んでいた。
土色の街並み。
その上にはサーカスのテントのロープがぴんと張り詰めたような、
緊張感みなぎる青い空が私達を見下ろしている。
この街の空は、東京のそれとは尽くかけ離れていた。
ぼんやりとして覇気のない、
やる気があるのかないのか解らないような東京の空とは大違いだ。
大地と空とが、互いに引張力で均衡を保っているように感じられた。
そこから生じる無数の見えないエネルギーが、
この街で暮らす人々に活力を与えているようだった。
私も、この大地と空から溢れ出るエネルギーの恩恵を幾らか授かったのだろうか。
気分が揚々と高まっていくのを感じていた。

たった1人でこんなに遠くまで来てしまったけど、
でも、たった1人でここまで来て、本当に良かった。
またこんな、めくるめくような時を過ごしてしまった。



だから 旅は やめられない!!



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プロフィール
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masu
年齢:
47
性別:
女性
誕生日:
1969/09/27
職業:
一級建築士
趣味:
しばらくおあづけ状態ですが、スケッチブック片手にふらふらする一人旅
自己紹介:
世田谷で、夫婦二人の一級建築士事務所をやっています。新築マンションからデザインリフォーム等をはじめ、様々な用途の建築物の設計に携わっています。基本呑気な夫婦で更新ペースもぬるーく、更新内容も仕事に限らずゆるーく、でもていねいに、綴っています。
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