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ノイファイミリーの日常、息子の成長など・・・
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今日もFezの街は雨が降っている。
私が運んできた雨だろうか? それにとっても寒い。

モハメドが、私の朝ご飯にあったかーいハリラを運んでくれた。
ハリラは豆の入ったスープ。
寒い日にハリラを飲めば、身体が温まると教えてくれた。
ハリラとパンの朝食をとり、シャワーを浴びる事にした。
ホテルの2階にホットシャワーがある。
着替えやタオル、シャンプー達をビニール袋にいれて、
モハメドにシャワー室まで連れて行ってもらった。
今までホットシャワーといわれながら、タイミング悪く温かいお湯にあやかれず、
寒い思いを何度かしてきた私はモハメドに念をおした。
“本当にこれは、ホットシャワーなの?今すぐあっかたいお湯がでてくるの?”
モハメドは得意げに、扉の横にある小さな湯沸かし器を指差した。
確かにその中で、青白い小さな炎が揺らめいていた。
ちょろちょろとはいえ、
あったかいお湯は途切れることなく蛇口を右にまわすまでずっと流れ続けてくれた。
これですっきりさっぱりサハラに向かえる。
身体を拭いて服を着る。
髪をとかし、みつ編みにして、
昨日モハメドがプレゼントしてくれたベルベルハットをかぶる。
モハメドが私の姿をみて嬉しそうに言った。
「いいよ!最高だ!とっても似合うよ、その帽子!!」

それから少しだけメディナの中を歩き回った。
モハメドが、銀や銅の食器類をおいてある店に案内してくれた。
ここのお店の職人さんは王宮の扉の装飾も手がけたという。
地球の歩き方の記者が以前取材にきて、
写真と記事が載っているんだよと言って本を見せてくれた。
私が持っているのは、古い本なのででていないが、新しい版の本に載っていた。
もしも後で余裕があれば、銀食器が買えるといいなぁなんて思いながら店を出た。
雨がひどく、とっても寒いのでホテルに戻る。
今日はお昼にモハメド一家が私を家に招待し、
クスクスをご馳走してくれるというのでとっても楽しみだ。

1:00すぎにモハメドの家に行った。
彼等はブージュールド門のすぐ傍に住んでいる。
モハメドには姉妹が4人いる。その内の2人は双子だ。
小学生のハスナとハサニヤ。
それから18歳(だったと思う)のファティマ、長女で21歳のメリアン。
2階建の家の2階にモハメド一家が暮らし、
1階にモハメドの伯父さん一家が暮らしている。

突然の珍客である私を妹達やお母さん、お父さんも温かく迎えてくれた。
モハメドの従妹にあたるちっちゃなサーラが、
あっという間に私にすっかりなついてしまった。
モハメドは今お父さんと喧嘩中で、
ずっと夜は家に帰らずあちこちを転々としているが、
今日は私がいる為か家族そろって仲良く食事をしていた。
モハメドのお父さんはすぐ近くのPOLICE OFFICEに勤務しているので、
昼食時には自宅に戻り、家族と一緒に食事をとるそうだ。
後からアリもやってきて、みんなそろってクスクスランチをとった。

モロッコでは、毎週金曜日にみんなでクスクスを食べるという。
大きな皿にこんもりと盛られたクスクスを囲んで賑やかな食事。
メリアンは何故か1人別の皿でタジンを食べていたのでわけを聞くと、
彼女はクスクスが嫌いだそうだ。
なーんだ。
モロッコの人だからってみんながみんな
クスクスやタジンが大好きってわけじゃないんだ。
考えてみれば、私だって日本人でも納豆は大っ嫌いだし、
寿司屋にいってもうにが食べられない。
我侭娘は世界中にいるもんだ。

モハメドやメリアン以外は殆ど英語もフランス語も通じないが、
言葉の解らない私を、みんな家族のように迎え入れてくれた。
もしも時間があれば家に泊まっていってと言われまたまたスケジュール調整をして、
最後の1日.2日はモハメドのお家にごやっかいになる事にした。
1人旅は気まま。
流れに身をまかせ、その日の気分で成り行き任せに生きられる。
歩いては、立ち止まり、休んでは、また歩く。
妹達は私がお世話になるというと、大喜びで歓迎してくれた。
2番目のファティマは、
言葉が通じなくて私とあまり話ができない事をとても残念がっていたが、
サハラから戻ったらヘンナをやってくれると言っていた。
みんなほんとに優しい人達だ。



一度モハメドの家を出て、モロッコで使う最後のキャッシュを両替してもらい、
再びホテルに戻った。
モハメドやアリと話しながら午後を過ごす。
アリはしきりにモハメドと私にサハラでは気を付けろと言っていた。
計り知れないガイド攻撃に、サハラではあうらしい。
私が日本人だと知れば金持ちだと思い、
何につけても高い値段をふっかけてくるそうだ。
モロッコにもお金持ちから貧乏な人までいろいろいるように、
日本人だって全部が全部お金持ちなわけではない。
日本人にも豊かな人もいれば、貧しい人もいるのにね…と私がいうと、
彼等も理解してくれた。

私はこの街で、モハメドやアリのような友達に出会えて本当にラッキーだった。
彼等はたびたび私に“Are you Happy?”と聞く。
私が元気良く“YES!!”と答えると、
“OK. You are happy, so I’m happy too!!”と言ってくれる。
私はとってもFunnyだという。
いつも笑っていて、それがいい。
君の笑顔が僕らを幸せにするんだ。
…日本で聞けば、歯が浮くような陳腐な台詞に聞こえるかもしれないが、
彼等は本当に私の事を好いてくれて、心からそう言い、思ってくれているので、
そんな言葉がとっても嬉しく、心に染みる。

モロッコでは、同じ皿で食事をとるという事は、とても大きな信頼の証となる。
同じ皿で食事を摂った者同士の間では、
決して嘘をついたり、互いに不易となる事はしてはいけないそうだ。
私はモハメドやアリと一緒に同じ皿で食事をとった。
だから彼等は私には決して嘘はつかないし、
私の事を家族のように思っていると話してくれた。
アリは私が本当にGood Personだから、
いい友達がこの国でもできたんだよと言ってくれた。
いい人はいい人を呼ぶ。いい人の周りにはいい人が集まるんだと言っていた。

いろんな国を旅したが、こんなにもその国の人達と深くふれあった事はなかった。
モロッコには本当にいい人がいた。
言葉や育った環境が違っていても、
こんなにも人と人はわかりあえるものなんだなぁとしみじみ感じた。
私の言葉は、情けなくなる程つたない。
でも、それでも彼等は私が何を言おうとしているのか、何を伝えたいのか、
一生懸命理解しようとしてくれる。
私が、あんまり言葉ができなくて申し訳ないと謝ると、
彼等は「そんな事は何も問題ない。僕らはお互いに何を言いたいのか、
伝えたいのか、理解しあう様努力すればいいんだ。」そう言って笑っていた。

アリが弟のために昼間買っておいたベルトを私にプレゼントしてくれた。
「もらえないよ。だってこれはアリが弟にあげるものだもの」
私は断った。
でも、弟にはまた別のベルトを買ってあげるから、
これは君にプレゼントしたいんだと言うので、有難く受け取ることにした。
「日本に帰ったら、アリやモハメドに写真や手紙やプレゼントを送るね。
今は何も持っていなくてごめんね」と言うと、アリは笑った。
「君は僕らに幸せをくれたよ。贈り物はいつかは壊れてしまう。なくなってしまう。
でも君の笑顔やいい思い出は、僕らの心の中にいつまでも、永遠に残るんだ。
それが何よりのプレゼントなんだよ。」



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HN:
masu
年齢:
54
性別:
女性
誕生日:
1969/09/27
職業:
一級建築士
趣味:
しばらくおあづけ状態ですが、スケッチブック片手にふらふらする一人旅
自己紹介:
世田谷で、夫婦二人の一級建築士事務所をやっています。新築マンションからデザインリフォーム等をはじめ、様々な用途の建築物の設計に携わっています。基本呑気な夫婦で更新ペースもぬるーく、更新内容も仕事に限らずゆるーく、でもていねいに、綴っています。
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