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ノイファイミリーの日常、息子の成長など・・・
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ってのが、最近時々目につきます。

一番最初に見たのが、電車の中吊り広告だったかな・・・?

商売柄、「家」とつきゃ何かと気にはなるのですが。

最近ネット上でも目に留まったので、どんなものなのかちょっと調べてみました。

元はといえば、この本が発端のようですね。「頭のよい子が育つ家 」

こういうフレーズには弱いですからね。ニッポン人。

最近は各住宅メーカーでも、こぞってこの内容を追随するような内容で、

「家族の気配が感じられる家」とかなんとかいっちゃってるプランを、

いろんな所でつくっているようです。



総合的にはいいと思います。

正直ワタシもこういう細切れじゃないプランニングは好きですから。

現に我が家も前述のとおり、既存では3LDKだった間取りをぶち抜いて、

ほぼ一体型の大型リビングダイニングキッチンにして、

そのど真ん中には大テーブルをドカンと配置。

キッチンカウンターからはダイニングもリビングも見渡せて、

夕食を作るワタシの傍らで息子は立ち飲み屋でクダ巻くオヤジのように、

なんやかやと一人で宇宙語を語らってますし。



主寝室もリビングからアクセスする位置で、しかも扉はスケスケ格子戸。

トイレや浴室以外の扉は全て引戸にして、

夏は全てを開け放って家中に風が通り抜けます。



将来子供部屋になる予定の部屋も乳白ガラス入りの引戸。



ある程度のプライバシーは保ちながらも、家の他の部分の明かりが透過して、

完全に外部の気配をシャットアウトするような設えではありません。



でも、別に息子が「頭がよくなるように・・・」とそうしたワケではないのですが。

ただただ自分たちの精神が落ち着くような家をつくりたかったから

自然とそうなった、というだけのこと。

本を全て読破したわけではないので何とも言えませんが、

上記の本で紹介されている各家族の家たちも、

同じようなもんではないのかな・・・と思います。

家族の中での心地よさが、自然と子供たちの健やかな精神を育んで、

自ずとそれが勉学にも反映されていったのではないかなと。

ワタシ個人はそんな風に感じています。



家を造る立場の人間がこんなことを言うのもなんですが、

「家」だけで頭がよくなるなんてことはまずありえないと思います。

よく、「収納を沢山つくれば私も片付け上手になれるワ♪」なんて、

勘違いしちゃってるオクサマもおられますが。

何れも、「そこで暮らす人の心次第」ってこと、

肝に銘じておいて欲しいなぁ。

いくら家族の気配を感じられるような「気」や「風」の抜ける家を造ったところで、

そこで暮らす人たちが、一生懸命コミュニケーションをとる努力をしなかったら、

ただただ吹きさらしの寒~い家になっちゃうと思います。

更に、ワタシ自身は仕事や試験勉強に集中しなくちゃならないときって、

結構人の気配や余計な音などがしないところでじゃないと捗らなかったりもします。

なので家族が寝静まってから・・・とか、

昼間子供が保育園に行っている間に凝縮してあれこれやっつける・・・とか、

生活や仕事空間は超オープンな間取りながらも、

実際に集中しなくちゃならない場合は、

ものすごく孤立した環境の中でだったりします。

人によって集中できる環境も異なってくるので、そういう意味でも画一的な作り方は、

却って非効率を生む場合もあると思います。

一番大切なのは、そこで暮らす人達が自分たちにとって最適のライフスタイルを、

きちんと把握しているかどうか。

そしてそれをずっと維持できるような努力を続けられるかどうか,

にかかっていると思います。



さて、ワタシが嘗て滞在した非常に心地よかった家について、

少しお話しようかと思います。

そこは遥か西の彼方の国、モロッコ。

フェズという古い街の、ある家族のお家です。

たまたま友達になったそこの息子に連れられて、家族達にも暖かく迎え入れられ、

最終的には数日間ごやっかいになってホームステイをすることになったお宅です。

家族はお父さん・お母さん・おばあちゃん。

子供は友人のモハメドを含めて5人兄弟。

部屋は8畳くらいのダイニングと、12畳くらいの客間、そしてキッチンとトイレのみ。

そんな空間で、8人家族が賑やかに暮らしていました。

四角い部屋の3隅にはコの字型にベンチ型のソファが置かれ、

昼間はそこが家族の椅子になり、食卓を囲んで皆でクスクスやハリラを頬張ります。

食事が終わると、子供たちは床に落ちたパンくずを箒で掃いて綺麗に片付け。

その後、銀のポットで新鮮なミントがたっぷり入った

風味豊かなミントティーを入れて、

身体を温めながら家族で語らいます。



床では小さな妹達が学校の宿題をしていたり、時々兄弟げんかがおこったり。

それはそれは賑やかです。

そうして夜も更けていくと、各人が綺麗に洗濯されたシーツと枕カバーを出してきて、

ソファの上に敷き、クッションに枕カバーをして、毛布をかけて、

川の字ならぬ、コの字になって眠りにつきます。

戦後の高度成長期に育った私は例の如く○LDK神話の中で、

子供の頃から個室を与えられて育ってきていました。

そんな中で、その体験はいい意味での大きなカルチャーショックを与えてくれて、

今も尚その影響は強く残っています。



何故その家での滞在が、全くプライバシーのない環境だったにもかかわらず、

こんなに心に残る気持ちのよいものだったか。

それは全て、そこで暮らす家族一人一人が、

相手を思いやる気持ちに溢れていたからだと思います。

決して豊かではない彼らの暮らしの中で。

何かもらいものがあったりすると、

長男であるモハメドは小さな妹達の為にそれをそっとポケットに忍ばせて、

とっておいてあげていました。

食事が終わって後片付けで忙しいお母さんの為に、

女の子たちはそれぞれに箒を持ったり雑巾を持ったりして、

ちらかった部屋を気持ちよい空間になるように片付けていました。

兄のモハメドが熱を出した時には、いつも賑やかな小さな妹達も、

お兄ちゃんを心配しながら静かに看病していました。

常に共用スペースであるダイニングであり、寝室でもあるその小さな部屋は、

自分以外の人間・家族が、気持ちよくいられるように・・・という思いで、

常に清潔に、整頓されていました。

それは別に目新しいものでも何でもなく、

ほんの何年か前には、日本でもよく目にした家族の光景だったかもしれません。

茶の間があって、ちゃぶ台があって、兄弟が沢山で。

夜になったら川の字になって皆で布団を敷いて眠る。

そんなもう今となっては体験することが少なくなった経験を、

ワタシは遥か西の彼方の国で肌で感じさせてもらうことができました。



今でも、それはワタシの家づくりの原点になっています。

「頭のよい子が育つ家」とか、「家族の気配が感じられる家」とか、

いろんなキャッチフレーズはあるかもしれないけれど。

本当の意味で、あの時ワタシが感じたあたたかい気持ちを、

今から家をつくる人たちが感じてもらえるようなものを、

これからもつくっていきたいなぁ と、ずっとずっと思っています。


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性別:
女性
誕生日:
1969/09/27
職業:
一級建築士
趣味:
しばらくおあづけ状態ですが、スケッチブック片手にふらふらする一人旅
自己紹介:
世田谷で、夫婦二人の一級建築士事務所をやっています。新築マンションからデザインリフォーム等をはじめ、様々な用途の建築物の設計に携わっています。基本呑気な夫婦で更新ペースもぬるーく、更新内容も仕事に限らずゆるーく、でもていねいに、綴っています。
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